ひとりごと

意味があったりなかったりします

カレンダー

月末になると、帰り際に検査室のカレンダーを何枚も捲る。明日の準備のためだ。

予定を書き込みやすい大きなカレンダー、美しい世界の風景写真が載っているカレンダー、メーカーの可愛いマスコットキャラクターが描かれた小さな卓上カレンダー。

カレンダーを捲った瞬間が好きだ。1ヶ月見慣れていた写真やイラストがさっぱりと役目を終え、模様替えしたように新しい写真が目に飛び込んでくる。

卓上カレンダーはコンパクトではあるけれど、カレンダーの右下にその月を表す行事や風景のイラストが描かれている。

今月は五月人形と鯉のぼり。子どもの日のイラストだ。明日から始まる6月は、紫陽花だった。

季節の行事や季節の花は、知識で知っているだけで、東京のような洗練された街にいると忘れてしまうことがある。1ヶ月なんてあっという間に過ぎ、目まぐるしく足早に季節は変わっていく。

この季節ならこれだよねと、誰もが連想できる事物ばかりのイラスト。知ってはいるけれど、街で見かけずに季節が過ぎていくこともある物たち。

6月は紫陽花という、定番の花かもしれないけれど、知っているだけで終わることがないように、ちゃんと足を運びたい。雨の湿った匂いを嗅ぎ、纏わりつく湿気を感じながら紫陽花を見て、季節を味わって次の月を迎えたい。

 

2022.5.31