社会に出ている以上、初対面の場合の方が多いのに未だに人と会う時は緊張してしまう。
鼓動が早くなり、沈黙が怖くなる。親しみやすさを演じ、話題を振ったり自己開示をしたりする。
いかにも和んでますよ、打ち解けていますよという空気を纏って、肩の力が抜けた芝居をする。
そんなことをしているから、家に帰るとどっと疲れる。全身脱力させてだる重さを緩和しようとする。風船に穴が空いたように、体力気力ともに抜けていく。ベットに背中が磁石のようにくっついて、身体は何もしたくないと言っている。
社会人になるとき、「人とのお付き合いが多いからとにかくがんばって」と亡くなった祖母が手紙を書いてくれていた。
人とのお付き合いが多い社会。社会は人でできている。社会にほっぽり出されて長いのに、人との付き合い方がまだまだ得意ではないようだ。
転んで膝を擦りむいた時にするおまじない「いたいのいたいのとんでいけー」をよくやってくれた祖母。
気だるさもおまじないで遠い彼方まで飛んでいってくれないかな。
2022.5.28