ひとりごと

意味があったりなかったりします

ポッキンアイス

細長いチューブに入ったジュースを凍らせて食べるポッキンアイス。真ん中がくびれていて、そこで2つにポキッと割れるからポッキンアイス。チューペットや棒ジュースと言ったりもするらしい。

ポッキンアイスは夏の風物詩だ。アスファルトを焦がすような灼熱の太陽が照っている中、硬いポッキンアイスを切れ味よく割って、友達や兄弟と半分こして食べる姿は、どこか爽快感さえ覚える。

肌がじりじりと焼け、息苦しいほどの熱気で包まれる夏。手にポッキンアイスを持てば、清涼さが全身を覆うバリアのように急速に広がっていく。黄緑色やオレンジ色などの、色彩豊かなアイスの淡い色が夏の強い日差しを和らげている。

冷凍庫から取り出したら直ちに「ポッキン」しなければならない。時間を置くと、切れ味の悪いハサミのようにか弱くなってしまう。なよなよしたアイスは夏に似合わない。豪快に折れてほしい。

ポッキンアイスに迷いはいらない。ポキっと小気味良い音を立てて二人で食べているとき、彼らは夏に負けていない。蝉が鼓膜を突き刺すように鳴り、密度の濃い湿気の湯気に視界を奪われていても、事もなげな顔で暑さと同居している。

 

2022.5.21